薬剤師の私が医療広告業界に転職した理由

働き方・生き方

薬学部を卒業後、調剤薬局で薬剤師として働いていた最初の3年は私にとって本当に楽しいものでした。

患者さんとの会話の中で毎日新しい発見がありましたし、職場関係も良好で、管理薬剤師も経験させていただきました。

しかし、ある程度早い段階で管理薬剤師になったこともあり、「この仕事の次のステップはどこなんだろう?」「このままの生活が今後何十年と続くのかな?」と思うようになりました。

薬学部を出たら薬剤師になる。それを当たり前のことだと思っていた私ですが、現在は医療広告代理店でライターとして働いています。

薬剤師から医療広告ライターへの転職は、あまり一般的ではないため、
「未経験でもできるの?」「どの程度の文章力が必要?」「調剤経験は役に立つの?」と感じる方も多いのではないかと思います。

結論から言うと、調剤経験は強みになります。
患者説明、添付文書やIFの読解、論文検索や薬剤師としての情報収集など、超材質で積み重ねてきたスキルは医療広告の現場でも非常に価値があります。

この記事では、私がなぜ医療広告業界への転職を決断したのか、
現場で実感した調剤経験の強み、
そして働き方やキャリアの可能性について、
リアルな視点でお伝えします。

調剤薬局の仕事は嫌いじゃなかった

調剤薬局で勤務していた頃、
患者さんとの関係性はとても濃いものでした。

大手チェーンに勤めていたのですが、小規模な薬局で管理薬剤師をしていたため、
町の薬剤師さん、といった感じで患者さんも色々なことで相談に来てくれていました。

「聞き上手ね」といっていただけることが多く、勤めていた店舗の処方箋枚数も右肩上がり。
門前のクリニックさんとも良好な関係を築けていたと思います。

調剤は、人の生活と心に寄り添う仕事です。
その尊さは今でも変わりません。

将来を考えたときに気づいたこと

一方で、調剤薬局で働き続ける未来を思い描いた際に、このまま同じ働き方を続けていくことに漠然とした不安を感じました。

薬剤師としてのステップアップを考えた時に

  • もっと大きな規模の薬局の管理薬剤師
  • 認定薬剤師資格の取得(小児薬物療法認定薬剤師、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師を考えていました)
  • マネージャー職への昇格
    といった選択肢がありますが、どれも自分にはしっくりきませんでした。

認定資格は自己研鑽の意味合いが強く、報酬には反映されにくい。
マネージャーは現場から離れ、中間管理的な役割になります。

私は、
どこでも通用するスキル、手に職としてのポータブルスキルを身につけたい
と思うようになりました。

そして何より、仕事に対してもっとワクワクしたいという気持ちがありました。
チームで何かを作り上げ、達成感を共有できる仕事がしたい。
自分の成長が見える仕事がしたい。
そう考えていました。

医療広告ライターという仕事を知りました

きっかけは転職エージェントからの紹介でした。
薬剤師が企業で働ける仕事を多く提案していただく中で、医療広告ライターという仕事を知りました。

そのとき直感的に「これは面白そうだ」と思いました。

  • 書くことが好き
  • 医療知識を活かせる
  • 医療知識をスキルとして磨いていける
  • 将来的に独立可能
  • 製薬企業のマーケやMAへのキャリアパスもある

価値が積み上がっていく仕事だと感じました。

実際に働いて感じたこと

医療広告の仕事は、とても刺激的でやりがいがあります。

特に、

  • コンペで勝ち、企画が採用されたとき
  • チームで資材を完成させたとき
    の達成感は大きいです。

新薬ローンチのスケールは非常に大きく、億単位のプロジェクトに関わることもあります。

自分の書いた文章が全国に配布されることの責任と誇り、
そしてクリエイティブチームとの協働によって高いクオリティの資材が出来上がる喜びは、
薬剤師時代には味わえなかったものでした。

調剤経験は無駄ではありません

むしろ、大きな強みになりました。

患者さんへの説明は
→ 専門用語のわかりやすい言い換え能力
添付文書の理解は
→ 根拠を理解する力
チーム医療での経験は
→ 原稿の監修医とのコミュニケーション
文献での情報収集は
→ そのまま現職での情報収集力へ

薬剤師としての経験が、医療広告の仕事に直結することを実感しています。

過去の自分へ伝えたいこと

転職活動を躊躇する必要はありません。

選考を受けても、
転職しないという選択ができます。
採用されなくても、
今の仕事を失うわけではありません。
つまり、転職活動自体はノーリスクです。

調剤経験のある薬剤師が薬局に戻ることも難しくありません。
転職しても、かなりローリスクです。

また、入社してすぐにすべてを理解できる必要はありません。
実務の中で必要な知識を身につけ、
段階的にステップアップしていくことができます。

今、迷っている薬剤師の方へ

もし少しでも揺らいでいる気持ちがあるなら、
まずは転職活動をしてみることをおすすめします。

求人を見てみる、
話を聞いてみる、
応募してみる――

そうしていく中で、
自分の気持ちや優先したい軸が明確になっていきます。

私はそうでした。

おわりに

薬剤師として働く道はひとつではありません。
医療に携わる形も多様です。

現場で患者さんに寄り添う仕事もあれば、
文章で医療を支える仕事もあります。

もし

  • もっと成長したい
  • 新しい挑戦がしたい
  • 自分の価値を磨きたい

という気持ちがあるなら、その気持ちを大切にしてほしいと思います。

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